今日の散歩:ユトレヒト
オランダ二日目です。ユトレヒトに行ってきました。
泊まっているホステル自体は静かな場所にあるのですが,なにせ8人用ドミトリーのため,夜中に酔っ払って帰ってくる人が後を絶たず,ほとんど眠れませんでした。とはいえ7時には起き,支度をして外に出ました。
ホステルの近くのペーストリー屋さんで Gevulde Koek (Filled Cookie)というアーモンドが入ったオランダのお菓子を買い,朝ご飯にしました。日本の饅頭のような味 + 食感で,なかなか美味しかったです。
朝のアムステルダム中央駅です。ユトレヒトまでは,ナイメーゲン行きのインターシティで30分程度です。
ユトレヒトは交通の結節点であるため,駅が巨大です。旧市街に向かうには駅の中の商店街を通っていきます。途中で早速ミッフィーに会いました。ユトレヒトはミッフィーの作者,Dick Bruna が拠点とする街なのです。像の下にはNijntje(ナインチェ)と書いてありますがこれはミッフィーのオランダでの呼び方です。
土曜日だったので,駅を出たところの広場には市が立っていました。
運河の街だからでしょうか,魚屋さんの出店が多いようでした。生魚が中心ですが,Lekkerbek という白身魚のフライなど魚の唐揚げ類も売っていたので買ってみました。
注文すると,油で温め直し,スパイシーな粉をかけて出してくれました。値段の割に大きく,美味しかったので,コスパの良い買い物でした(2.25ユーロ)。
すぐ近くの歩道に,噂のミッフィー信号がありました。
ミッフィーがいるという広場まで,Oudegracht(Old Canal)という運河に沿った道を歩きました。アムステルダムと違って,ユトレヒトは運河の街というイメージにぴったりで,静かで落ち着く,優しい雰囲気の街でした。
ミッフィーの公園に着きましたが,民家の庭と言われても違和感がないような雰囲気で,若干がっかりスポット感がありました。一応ミッフィーの像が立っています。
中心の方に戻ると,Breedstraat という通りでも市が立っていました。今度は布などの生地類が中心でした。時間帯のせいもあったのかもしれませんが,観光客よりも地元民の方が多いように感じました。
こんな感じで,いろいろな柄の生地が並んでいます。どこにこんなに生地の需要があるのか不思議でした。
糸の専門店です。
そのすぐ近くにある Janskerk という教会前の広場にも,市が立っていました。今度は Bloemenmarkt(花の市)です。
さすがは花の国オランダです。すぐに花瓶にさせるようにセットされたものから,バラ売りまでありました。花の需要があるというのは,文化的に豊かな証拠だと思います。
生花だけでなく,球根も売っていました。
ユトレヒトの中心は,ドム教会とドム塔があるエリアです。この二つは昔,一つの建物だったのですが,台風により二つを結ぶ部分が破壊されてしまったため,今では分かれているそうです。写真はドム教会です。
ドム教会は,もともとはカトリックの教会だったのですが,宗教改革の際に内部の装飾が破壊され,プロテスタント化しました。そのため装飾は非常に簡素です。このあたりで睡眠不足のつけが出て,椅子でしばらく眠りました。教会の椅子は,眠っていても祈っているように見えるので便利です。
ドム塔に登るにはチケットが必要なので,すぐ近くのインフォメーションに買いに行きました。
インフォメーションの中にも,ミッフィーグッズを集めたコーナーがありました。
次のツアーが12時に始まるというので,それまでの時間,その辺のカフェで(眠け覚ましも兼ねて)コーヒーを飲んで待つことにしました。ツアーの解説内容を日本語にしたものをあらかじめ渡してもらったので,それを読んで待ちました。
その間ずっと,ドム塔からは鐘の音が聞こえていました。曲はビバルディの四季より「春」でした。普通こういう塔は数時間に一回鐘がなる程度だと思うのですが,ドム塔はサービス精神旺盛でした。
ツアーは,ガイドさんがオランダ語と英語の両方を使い分ける形で進行しました。この写真は,台風でドム塔とドム教会が二つに分かれたところを説明しているところです。
ツアーの大部分は,螺旋状の階段をひたすらグルグル登る作業でした。上に行くほど幅は狭く,階段の奥行きは小さくなるので大変でした。
14個の鐘があるゾーンです。ここの鐘を全部合わせると合計31トンになり,ヨーロッパではケルン大聖堂の次に重いそうです。一番大きいサルバドールという鐘(8トン)は4人で動かすのだとか。全ての鐘を鳴らすのは,新年と,一年に一度あるお祭りの開始の時だけで,25人体制で鳴らすそうです。
普段鳴っているのは,その上にあるカリヨンと呼ばれる楽器(鐘)です。特別なときは人が上にあるブースで演奏しますが,普段は自動で鳴っています。先ほど聞こえていたビバルディも,自動的に鳴っていたようです。
天気が良かったため,ドム塔の上からの景色もなかなか綺麗で,360度見渡すことができました。ドム教会が十字架の形であることを上から確認できます。
さて,中心は見終わったので少し端っこにある Central Museum と Nijntje Museum に向かいました。Central の方を買えば Nijntje の方にも入ることができます。
20世紀の前衛美術グループ De Stijl のメンバー,Gerrit Riedveld の椅子などの展示が目を引きました。Riedveld の椅子のレプリカに座って,作品を眺めることができました。
他の展示は正直退屈でしたが,ミッフィーの作者 Dick Bruna に関する展示は面白く,彼がミッフィーを描いているところなどの映像を見ることができました。一筆で描くのではなく,点と言えるような短い線描を重ねることで描いている様子がとても印象的でした。
だいたい外国人はミッフィーを知らないのですが,なぜか日本だけではとても有名な気がします。日本人で訪れる人が多いためか,この部屋だけ解説がオランダ語・英語・日本語になっていました。とはいえ,解説によると Dick Bruna はレジェやマティスといった画家に影響を受けており,(後期)印象派は日本の浮世絵から影響を受けているはずなので,日本文化が還流した結果ミッフィーが生まれたとも言えるのですが。
Central Museum の反対側に Nijntje Museum はあります。
スナッフィーに乗って遊ぶ女の子です。ウサギやクマが二足歩行する世界で,なぜこのイヌは四足歩行なのでしょうか。
Museum というよりも,ミッフィーをテーマにした子供の遊び場といった方が適切で,大人は子供達が遊んでいるのを眺めて楽しむくらいしかやることはないようでした。
Oudegracht を通って中心街に戻りました。
お昼のために何か食べようと思い,ネットで紹介されていた Bold en Smolders という店で Apple Ball を買いました。砂糖ありと砂糖なしが選べます。
また,近くの Theo Blom という店にはここでしか買えないミッフィーのクッキーがあるそうなので,少し寄ってお土産に買いました。
公園のベンチで Apple Ball を食べ,考え事をしていると,眠くなったので寝ました。その後は適当に市街をぶらつき,適当に店に入り,飽きてきたところで帰りました。
戻ったときのアムステルダム中央駅です。
明日は,とりあえずアンネフランクの家に行ったら,荷造りをし,日本に向かおうと思います。